伝統を守りつつも新しい味わいへのチャレンジを続ける西酒造が挑戦した
「焼芋焼酎」
試行錯誤を繰り返し、
コレだ!
というものが完成しました。
一般的な芋焼酎はサツマイモを蒸して仕込みますが、焼芋焼酎はその名のとおり、焼いたサツマイモを原料に使用します。焼き芋といえば「紅はるか」や「安納芋」が甘さが高いのですが、今回、杜氏がこだわったのは焼酎造りに最適な
「黄金千貫」から造ること。
黄金千貫は、デンプン価が高く焼酎造りに最適な品種で、その豊かな風味が特徴です。
もちろん西酒造の「富乃宝山」をはじめとする各銘柄にも多く使用されています。焼酎を造り出すには、焼き芋として美味しい「紅はるか」や「安納芋」よりもやはり「黄金千貫」が適しているのです。
最初は採れたての黄金千貫を焼き芋にして焼酎を造ってみましたが、甘味が足らず、焼芋焼酎の特徴が出ませんでした。
甘味と旨味のちょうどよいバランスにたどり着くために何度も試行錯誤を繰り返しました。
構想から5年・・・・・ 導き出したのは「3日間のキュアリング」と「115日間の低温貯蔵」という製法でした!
3日間のキュアリング
糖度を上げるために、収穫後3日間のキュアリングを行っています。
このプロセスにより芋の中の酵素が活性化し、甘味が増すのです。
収穫した農作物にできた傷から病原菌が侵入すると、作物の腐敗の原因となります。キュアリングには「治療」の意味があり、キュアリング処理を行うことで、収穫時にできた傷が乾いてコルク化し、病原菌の侵入による腐敗を防ぐことができるのです。さらに、キュアリング処理を行うことで、サツマイモの粘度や甘みが増し、外皮がなめらかにすることもできました!
キュアリング処理は、温度計などの設備を設置した西酒造の研究室で丁寧に行いました。
自社低温貯蔵庫での
115日間の熟成
焼酎の味わいをさらに深めるために、自社の低温貯蔵庫で115日間じっくりと熟成させました。一定の温度・湿度の環境で熟成させると、でんぷんの糖化が始まり、収穫したてのさつまいもよりも熟成した方が甘くなります。
糖化とはその名のとおり、さつまいもの成分であるでんぷんが糖に変わること。熟成すると甘味だけではなく旨味も増えるのです。
私たちの自社低温倉庫内はさつまいもの貯蔵に適した室温13〜14度、湿度90~95%に保たれており、光を極力当てないようにすることで、おいしさを保ったまま熟成を進めました。
低温貯蔵庫での熟成により、芋の甘味と風味がより一層引き立ち、まろやかな口当たりを実現しています。
加熱した石の上で
じっくり焼く
キュアリングと低温貯蔵によって焼酎を造るのに最適な状態まで仕上がった黄金千貫をほくほくの焼芋にして、ついに仕込みです!
焼きすぎると雑味が出て、逆に焼きが足りないと焼き芋らしい風味を引き出せないため、焼き加減の調整にも高い技術が求められるのです!
別誂005の焼芋は、小石を敷き詰め焼いています。
高温の石が放つ遠赤外線によって、表面はこんがりと香ばしく中はほくほくに美味しく仕上がりました。
焼芋焼酎は、その製造過程で一つひとつの手間を惜しまないため、大量生産には適していません。
しかし、「この最高品質の芋焼酎をぜひ皆様に味わっていただきたい!」という強い思いから、
今回特別に358本限定
でご提供いたします。こだわり抜かれた一杯を、この機会にぜひお楽しみください!
黄金千貫の焼き芋を使用することで、特有の香ばしい香りと濃厚な甘味を実現しました。この焼酎は、口に含むと広がる焼き芋の豊かな香りと、コクのある甘味が特徴です。ロックやソーダ割りで、その香りと味わいを存分にお楽しみください。
オレンジのようなフルーティーな香りや、蜜の滴る焼き芋とキャラメルのような甘い香りの芳醇なアロマです。
フレーバーを楽しむのが焼酎ですが、こちらはさらに味わいに滑らかな飲み心地とコクがあり、香りに感じたフルーティーさや甘さが後味まで広がっています。